「10km walk 2026」に代表される iBe.TOKYO のウォーキング企画。東京の街を10km歩きながら風景を切り取るこの活動は、単なる体力作りではなく、ライフスタイルと技術の交差点(Internet-to-be)を探る実践の場でもあります。
実は、このウォーキングの「ルート策定プロセス」において、2025年から2026年にかけて大きな技術的・思考的シフトがありました。今回は、拙著「Internet × AI(2026)」で考察した理論を交えながら、私たちの身体活動とテクノロジーがどう結びついているのかを紐解きます。
1. 「探す」から「聞く」へ:ルート設計の進化
2025年の10km walk ’24~’25 では、まず「自分の行きたいスポット」をあらかじめ自分で結んでルートを決め、その上で生成AIにスポットの歴史や見どころを「解説」してもらっていました。これはあくまで、AIを高度な百科事典として使うアプローチでした。
しかし、2026年に入り、生成AIとの向き合い方は大きく変わりました。「歩く時期(季節)」や「撮影したい情景」を条件として提示し、生成AIに都心のスポットを挙げてもらい、コースや撮影ポイントそのものを“作成”してもらうようになったのです。
これはまさに「Internet × AI(2026)」で定義した、情報との向き合い方が『探す』から『聞く』へと変化した実例です。正解を検索するのではなく、AIを「思考のパートナー」として対話し、新しいルート(答え)を生み出すプロセスへと進化したのです。
2. AIの「それらしい提案」と、インターネットによる「照合」
AIが提案するルートは、往々にして非常に魅力的で“それらしいもの”です。しかし、そのまま靴を履いて家を出るわけにはいきません。ここで「インターネット」の本来の役割が登場します。
私はAIが作成したルートとスポットを、マップアプリやウェブ検索を使って一つずつ照合します。「Internet × AI(2026)」の記事でも触れたように、インターネットの本質は「情報流通コストを極限まで低下させたインフラ」です。現在地から目的地までの正確な距離、最新のストリートビュー、あるいはSNSのリアルタイムな発信を通じて、AIの提案を「現実」にすり合わせていきます。
3. 現場で起きる「バグ」と、身体感覚による再構築
事前の照合を終えて実際に東京の街へ歩き出しても、現実は常に想定外を含んでいます。「いざ到着してみたら撮影スポットが大規模な工事中だった」「太陽の角度や時間帯のタイミングが合わず、期待した景色が見られない」といった問題が実際に起こります。
AIが生成した机上のルートは、現実のノイズ(工事、天候、混雑)によって分断されます。その時、現場に立つ私はマップを開き直し、新たなスポットをつなぎ合わせ、その場でルートを再構築します。
生成AI(答えを作る技術)が描いた青写真を、インターネット(情報のインフラ)で確認し、最終的に人間の身体感覚と判断でリアルな体験へと落とし込んでいく。この一連のプロセスこそが、情報の海に溺れず、テクノロジーを使いこなしながら都市を楽しむ「Internet-to-be(在るべき姿)」なのだと実感しています。







