
新宿御苑は、約58ヘクタールもの広大な敷地を誇る、都内最大級の庭園です。もとは江戸時代の内藤家の屋敷地で、フランス式整形庭園・イギリス風景式庭園・日本庭園という三つの様式を一度に巡れる、国内でも稀有な構成が特徴です。5月下旬は、春の花々から初夏の緑へと完全にバトンタッチが行われ、園内の風景が最も完成度を高める時期のひとつです。特にこの時期は、バラ園が見頃を迎え、庭園全体が華やかな香りに包まれます。
5月下旬の見どころ:初夏の彩りと開放感
バラ園の最盛期
5月下旬の新宿御苑において、主役となるのはフランス式整形庭園にあるバラ園です。約110種500株のバラが幾何学的に配置された花壇を彩り、プラタナス並木の深緑を背景に、赤・ピンク・白・黄の花々が鮮やかに映えます。多種多様なバラが咲き誇り、色彩豊かな花々と新緑のコントラストが、散策の大きな楽しみとなります。
完成された庭園美
5月下旬は芝生の緑も深まり、庭園としての美しさがピークに達します。整形庭園のシンメトリーな花壇から、広々としたイギリス風景式庭園の大芝生、そして木立に囲まれた日本庭園の池泉へと、歩みを進めるたびに風景の様式ががらりと切り替わるのがこの御苑ならではの醍醐味です。園路が広く設計されているため、多くの来園者がいても圧迫感を感じにくく、ロングウォークの後半戦において、疲労を回復させながらゆったりと歩ける区間です。
「涼」を呼ぶ巨木群
プラタナスの並木やユリノキの巨木が大きな影を落とし、5月の明るい日差しの中でも快適に過ごせる「天然の屋根」を提供してくれます。なかでも芝生広場中央にそびえるヒマラヤスギの巨木は樹高30メートルを超え、周囲に独特の存在感を放つ御苑のシンボル的存在です。巨木の木陰をたどりながら園内奥の大温室へ足を延ばせば、熱帯植物の鮮烈な緑とのコントラストも楽しめ、ウォーキングの締めくくりにふさわしい変化に富んだルートとなります。